伝説のデカラケ名器、8年ぶりの復活 日本限定モデル Wilson 3.0J
2016年に発売されたウィルソンの日本限定版ラケット、3.0Jが8年ぶりに甦った。3.0JのJはJapanのJ。日本オリジナル企画を表したものだ。3.0JはウィルソンのTRIADシリーズに属する。TRIADシリーズはフェイス部(円形)とスロート部(Yの字型)が個別のパーツになっていて、それを結合した特殊なフレーム設計。結合部分にはアイソゾーブという高層ビルや橋等の建築物で地震の振動を吸収するために用いられる素材が使用されている。これにより衝撃吸収性が高く、腕にやさしいラケットになっている。
TRIADシステムが採用されたラケットと言えば、2001年発売のnコード3 OS 113は、セレナ・ウィリアムズが使用し、グランドスラム優勝に花を添えたことで知られる。TRIADシリーズの中では、TRIAD THREE、TRIAD FIVEが代表格だが、いずれも厚ラケ(最大フレーム厚29mm)で軽量(264~267g)。フェイス面積がTHREEは113平方インチ、FIVEは103平方インチ。3.0Jは 軽量ラージサイズのTHREEの系譜に連なり、フレームはさらに厚く(最大31mm)、軽い(250g)。ウィルソン(アメア スポーツ ジャパン)によれば、3.0Jはウィルソンの数あるラケットの中で最大のパワーを誇るという。
3.0Jの前モデルは厚ラケ特有の飛びと振り抜きの良さで、非力な女性や中高年層の支持を集め、密かな人気モデルとなった。新モデルは基本的には前作を踏襲しつつ、フェイス面積は118平方インチから113平方インチに縮小。フレーム厚は26-31-26mmから27-31-27mmになった。
新3.0Jはスペックが全く同じモデルのローズゴールド(3.0J ROSE GOLD)とブルー(3.0J BLUE)の2色展開となっている。いずれも洗練されたカラーリングだが、旧3.0は女性の使用率が高かったということもあり、グリッター塗装で光沢感のあるローズゴールドで女性をメインターゲットにしつつも、ラメ加工のないブルーで男性層への訴求もはかろうというマーケティング戦略が感じられる。リニューアルを施された日本人の、日本人による日本人のための(?)ラケット、ご興味のある方はお試しあれ。
Wilson 3.0J ROSE GOLD & 3.0J BLUE
発売日:2024年11月末
メーカー希望小売価格(税込)44,000円
フェイス面積:113平方インチ
重量:250g
バランス:365mm
全長:27.5インチ
フレーム厚:27-31-27mm
ストリングパターン:16×19