フェデラーの共同開発参画で注目を集めるスポーツブランド「On」
世界ナンバーワンのイガ・シフィオンテク、全米オープン・ベスト4進出と先のジャパンオープン優勝でランクが急浮上しているベン・シェルトン。二人の活躍でにわかに注目を集めているものがある。それがスイス発祥のスポーツブランドOnのウェア。2022年に引退したロジャー・フェデラーがシューズの商品開発に参画していることでも知られる。
Onは2010年にスイスのチューリッヒで設立された(On AG社)。スイスの鉄人レース王者だったオリヴィエ・ベルンハルトが引退後、全く新しい感覚のランニングシューズを作りたいと思い立つことからその歴史は始まった。当時、ナイキのアスリートだったベルンハルトはプロトタイプをナイキに提出したが、拒否される。その代わりにアレマンとコペッティとチームを組んでOnのプロジェクトをスタートさせることになった。かつてない高性能なシューズを作ることを目指し、全てスイスで設計し、最先端の技術を駆使するのがこだわり。今日、Onは世界50国以上、700万人以上のアスリートに支持されているという。
フェデラーは2019年からOnの株主となり、20年7月には「The Roger」という名前の限定版ライフスタイルシューズが同社から発売された。
シフィオンテクとシェルトンの同社とのスポンサーシップ契約は、23年3月に発表。一躍、テニスファンの認知が高まることとなった。契約以前に世界ナンバーワンだったシフィオンテクはともかく、23年後半に飛躍的にランクを上げたシェルトンをスポンサードした同社の「目利き」は注目に値する。同社には、フェデラーという「金看板」があるだけに、これから他にも契約選手が増えそうな予感漂う同社の動向から目が離せない。(敬称略)
ロジャー・フェデラー(On Japanのウェブサイトより)